水質学の解説

平成29年度の水質学(後期)の最終試験の解説をしておきます。皆さん、しっかりと復習しておいてください。今年度はほとんどの人がシッカリと勉強していたようで、ごく一部の人を除いて、皆さん合格しています。それでは解説です。

 

1.1)英語の名称はBiochemical Oxygen Demandです、日本語は生物化学的(または生化学的)酸素要求(消費)量となります。講義でも話しましたが、生化学でもマチガイではないのですが、生物化学の方がより実態を反映した日本語で適当だと私は考えています。  

BODの測定原理は次の通りです:試料水中に存在する有機物が、微生物(主に細菌)によって好気的な条件下で呼吸・分解される間に消費する溶存酸素量(DO)のことです。反応液(試料水)は密閉容器中で一定期間(一般には5日間)、一定温度(20℃)で保たれ、その前後のDOの差で示します。

2暗所で培養する理由は、試料水で光合成が起こらないようにするためです。光合成が起こると酸素が発生するので、呼吸で消費される酸素量が分らなくなります。

3)CODの和名は化学的酸素要求(消費)量です。

4) 。検´◆。粥                        

 

23点×5

_樵杰紊箸蓮virtual waterのこと。食料を生産するのに必要な水の量のことです。例えば、牛肉1 kgを生産するためには、その飼料の生産から考えると20 tの水が必要になります。日本の場合、他国の水を年間640億トン使用しているという試算結果があります。

▲Εぅ鵐ラー法とは、溶存酸素量の化学的な定量法です。試料水に硫酸マンガンMnSO4溶液と水酸化ナトリウムNaOH溶液を加えると、水酸化マンガン(供Mn(OH)2が生成します。その水酸化マンガンが水中の酸素と反応して、溶存酸素に対応する量だけ酸化され、そこから溶存酸素濃度を算出します。

HNLCとは、表層栄養塩類(リン酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、ケイ酸塩など)が高濃度で存在するにも関わらず、植物プランクトンの生産量が低い海域のことです。High Nutrient Low Chlorophyllの省略形。

TPTとは、環境ホルモンの一種です。トリフェニルスズ(有機スズ化合物)。雌の雄化作用を持ちます。付着防止剤として船底塗料などに混ぜられています。Snにフェニル基が3つ付いた構造をしています。トリブチルスズも同様の効果を持ちますが、化学構造が異なるので混同しないようにしましょう。

microplasticとは、5 mm以下のサイズのプラスチックの総称であり、海洋においては低次栄養段階の小さな生物への影響が懸念されています。大きなプラスチックを海鳥が飲み込んだりして問題になっていますが、マイクロプラスチックは微生物に影響し、ひいては海洋生態系全体へ影響する可能性があり問題です。

 

31) NO3  ◆N2   NH3(またはNH4) ぁ‐鵬宗  ´ァ|γ癲´Α |眩埜把

2ANAMMOX

1990年代のことです。ヨーロッパのある廃水処理施設で奇妙な現象が見られました。その処理施設でどんどん窒素ガスN2が発生していました。その廃水処理施設をオランダの微生物学者達が丹念に調べたところ、ある特定の微生物が、嫌気条件で、亜硝酸NO2- をアンモニウムイオンNH4+ で還元 して、N2または窒素ガスを生成する反応が起こっていました。この微生物反応では、アンモニウムイオンが亜硝酸を還元しています。それは逆にアンモニウムイオンが酸化されることを意味します。この微生物反応を日本語では嫌気性アンモニア酸化と呼び、英語ではAnaerobic Ammonia Oxidationと書くので、それを省略してAnammox(アナモックス)と呼びます。この化学反応式を書くと次のようになります。

NH4+  + NO2- → N2   + H2O   

これをうまく利用すると廃水処理の大幅なコストカットが期待できるため、現在、多くの研究者が開発に取り組んでいます。このAnammox反応を担う細菌の生理学的特性は嫌気性化学合成独立栄養性です。

 

問4.

自家汚染とは、主に給餌養殖 による有機汚濁が直接の原因となり引き起こす水質・底質の悪化・老化現象のことである。養殖漁場での有機物負荷の主体は、残餌や養殖魚の排泄物などの易分解性有機物である。養殖漁場に負荷された易分解性有機物は主に細菌による分解を受けながら沈降し、海底に堆積する。この分解は海底堆積物中でも進行する。水域が成層し、底層への酸素の供給が少ない夏季には、通性嫌気性従属栄養性の海洋細菌は好気呼吸(呼吸だけでは×)による分解・無機化が出来なくなり、その代わりに発酵を行う。その結果乳酸などの有機酸が底泥に蓄積される。酸素の欠乏した嫌気的な環境で有機酸が蓄積されると、海水中のSO42- を最終水素受容体とし、有機酸を水素供与体として利用する硫酸塩還元細菌が増殖を始め、H2Sが発生する。硫化水素は化学的に水中の溶存酸素と反応して更に酸素を消費し、底層の貧酸素化が加速度的に進行する。底層が貧酸素化して還元的になると底泥の酸化還元電位は下がる。酸化還元電位が下がると、底泥から金属イオンや栄養塩が溶出し、水域の富栄養化をさらに助長する。これは赤潮や青潮などの発生も助長する。まさに負のスパイラルに入ってしまう。

 

問5.この問題は新しい問題です。考えると分かるのですが、割と間違っている人もいました。

1)シタビラメ:水槽 ◆ ; ゴカイ:水槽 ◆ ;貝:水槽   ;海草:水槽   

2)栄養塩が多いのでそれを減らそうと思うと栄養塩を使う生物となります。無機物である栄養塩を増殖・成長に利用するのは、光合成を行う生物です。このシステムで光合成を行う生物は、微細藻類と海草です。問題文にあるように微細藻類はどこの水槽へも行き来できますし、微細藻類が増えるとそれを食べるゴカイが増えて排泄物が増えて、さらに海水が汚れるかもしれません。海草を水槽に入れると、このシステムの最後のところで海草が栄養塩を吸収して取り除いてくれるので、排水中の栄養塩を低減することが可能になります。従って、水槽に海草を入れる、が正解となります。

 

水質は水が関わるすべての場面で必要になります。皆さんが各研究室に分属してどの様な研究に取り組まれるのか分かりませんが、是非、水質学で学んだことを卒業研究で活かせるようにしてください。

江口

 

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    2017年度 水質学MP#1〜16の模範解答(一挙公開)

    <水質学のMP#1〜16の模範解答>

     2017年度の水質学も残すところ2回となりました。MP#1〜16の模範解答を掲載します。各自、復習に使ってください。

    江口

    水質学 minutes paper#1          2017914

    1.水とは?

     水とは化学的にH2Oの分子式で示される物質のことである。大気圧下では、100℃で水蒸気に変わり、また0℃で固体の氷となる。水の密度は。粥で最大になる。水は気体なら『(水)蒸気』、液体では『水』、固体では『氷』と、その呼び方が変化する。この様な物質は他にはない。これは英語でも同じである。水蒸気、水、氷をそれぞれ英語でsteam or vaporwatericeと区別して呼ぶ。

     生体にとって水は量的に最も重要な物質であり、通常、生物細胞の重量の8090を占める。クラゲの場合は9599%と言われる。

     地球上の水の総量はμ1.46×1018トンであり、その97.5は海洋にある。仮に地球表面が山や谷などの凸凹のない球体であり、その上に現在の地球上の水(主に海水)が存在するとすると、全地球の表面は2500 mの厚さの水の殻を被ることになる。まさに地球は「水球」なのである。ところで、海の平均水深は3800 mである。

     

    水質学 minutes paper 2          2017921

    2.水の物理的特性

    2-1.水を基準とした物理単位

    水H2Oは我々の周りに大量に存在し、比較的簡単に純粋にできるので、昔から色々な物理量の基準となってきた。

    <温度>

     大気圧下(水の凍る温度を0度とし、水が蒸気に変わる温度を100度として、その間を100等分したのが、セルシウス度で、英語ではdegree Celsiusと書き、「℃」と表記する。中国語でセルシウスを摂爾修斯と書くため、摂氏温度ともいう。イギリスや米国では華氏温度も日常生活では使用する。これは氷の融点を32度、水の沸点を212度とし、その間を180等分したもので、「°F」と表わす。考案者のファーレンハイト(Fahrenheitを中国語では華倫海特と書くため、華氏温度と呼ぶ。ファーレンハイトはアルコール類を使った温度計の不正確さを純度の高い水銀を使用することで克服し、精密な製作技術で温度計の精度を高めた。水銀温度計の生みの親である。

    摂氏温度にしても華氏温度にしても、物質の膨張による変化が物により多少異なるので、別の熱力学法則に基づいた論理的な温度目盛りに、 絶対温度がある。この△任蓮⊃紊良硬澄0 ℃)=273.15 K、水の沸点(100 ℃)=373.15 K(ケルビン)となる。理論上考えうる最低温度は−273.15 ℃であり、これを絶対零度という。absolute zero

    <熱量>

     カロリー(cal)という単位があるが、これは水1 g14.5から15.5まで1 ℃上げるのに要する熱量のことである。ただ、水を1 ℃上げるのに必要な熱量は温度帯により少しずつことなるので、物理学の仕事の単位のジュールが熱量の単位となっている。

    <質量>

     真空中の水1 cm3が持つ質量を基準にして、その1000に当たる質量を持つ国際キログラム原器が質量の国際的基準になってきた。

     

    水質学 minutes paper3            2017928

    2.水の物理的特性

    2-2.水の分子の構造

     水の化学式はH2Oであるが、この酸素原子1個と水素原子2個は直線状につながっているわけではない。水分子の中で、プラスの電気(電荷)とマイナスの電気の重心が重なっておらず、ずれている。この様な状態の分子をゞ棒分子と呼ぶ。一方、プラスとマイナスの電気が互いに打ち消しあって重心がずれていない分子を¬偽棒分子と呼ぶ。△梁緝重なものはF鷸晴獣坐CO2、メタンCH4、塩素ガスCl2や水素ガス分子などである。水分子のH-O-Hの間の角度は104.5 度である。この様な角度の解析には、ヅ纏匆鸚沺焚鮴呂任呂覆い里巴躇奸という手法を用いる。これは試料に電子を当てて、干渉パターンを観察する方法であり、粒子と波動の二重性によって起こる現象を利用している。

    2-3.氷と液体の水の構造

     氷は非常に隙間の多い構造をしており、各酸素はΓ瓦の水素により囲まれている。一方、水(液体)の構造は氷ほどよく分っていない。液体の水も氷と同様にЭ總之觜で分子が結合していることが推測されている。ただ、液体の水ではГ切れて、一部はバラバラのH2Oという単一分子で存在し、氷の網目を作った格子の空洞へ入り込むため、水の密度が氷よりも大きくなると考えられている。このH2O分子がГ之觜腓靴疹態を┘ラスターと呼ぶ。この┐小さい水がおいしい、といった話があるが、これはウソである。そもそも┐麓他擇気譴討い覆い掘⊃緤子間のГ蓮▲團撹鍛碓未琶册阿靴討い襪燭瓠⊃紊劉┐鰐椶砲盪澆泙蕕迷さで生まれたり、消滅したりしており、瞬時たりとも同じ形状やサイズを保つことはない。大きい┐世痢⊂さい┐世里箸い辰疹態は、安定的に持続しないのである。ましてや┐鮑遒訃水器などあり得ないのである。このような一見科学的にみえて、全く実際の科学から離れたものを似非科学や疑似科学と呼ぶ。自然科学を学ぶものとしては、この似非科学に陥らないようにしたいものである。

     資料集2ページの図2-1ではO原子とH原子の間の距離が0.96 Å=0.096μmとなっている。その右横の図2-3では同じO原子とH原子の間の距離が0.276μm−0.177μm=0.099μmとなっている。ここでは0.003μm伸びている図2-3の方が正しいのだが(ただし、図2-1も場合によっては正しい)、何故か?その理由を超簡潔に述べよ。

    これは隣の水分子と水素結合のために物理的にひっぱられて伸びているので0.003μm長くなっているのである。「電気的に引っぱられて伸びている」も良しとします。『水素結合』という言葉が大事です。

     

    水質学 minutes paper4           2017105

    2.水の物理的特性

    2-2.水と似非科学

     水のクラスターなど、飲料水を中心に様々な水に関する科学があるが、その大半は似非(エセ)・ニセ科学である。一見科学的で、実は科学的ではない話が世の中には多いので、理系学部の皆さんは騙されないようにしましょう。

     海水を淡水化するときに使われるのはゝ嫂仔システムである。)譴鯆眠瓩靴審た紊蓮海水中の塩分や不純物がほぼすべて取り除かれ、海水は純粋な真水になる。この)譴乏た紊鯆未垢燭瓩砲蓮⊃仔圧に逆らって海水をろ過する必要があるため、加圧しなければいけない。

     飲用水としてはアルカリイオン水などが宣伝されているが、これも、特に健康に良いということが科学的に証明されているわけではない。とても薄い石灰水である。

     電解水というものもある。これは食塩水を電気分解して調製する。食塩水を電気分解すると、漂白剤などとしても利用される次亜塩素酸イオン 次亜塩素酸 などの殺菌効果の高い物質が含まれているため、この電解水の殺菌目的での利用には、それなりの科学的根拠がある。

    2-5.水道水の浄水技術と水質基準

     上水道での水処理は非常に高度化されてきている。大阪の水道の場合、水源⇒取水⇒凝集沈殿⇒急速ろ過⇒ぅゾン接触処理ノ馨活性炭処理⇒塩素混和⇒配水⇒蛇口、という流れで水が処理される。凝集沈殿池では、浮遊する動・植物プランクトン、有機物、ゴミ、泥等の濁り成分を凝集剤のΓ丕腺叩.櫂蟇化アルミニウム poly alminium chloride で固めて取り除く。上の処理の中でい筬ソ萢はЧ眦拆水処理であり、これによりカビ臭などの問題を解決している。このように高度浄水処理された水道水は、安心でおいしい水といえる。ただし、水道水にも問題がないわけでもない。最後の塩素処理によって、主に細菌を滅菌しているのだが、塩素処理では死滅しない病原性微生物が混入して問題になったことがある。その代表例が┘リプトスポリジウムという胞子虫類である。この┐オーシストo-cystという耐久細胞は、従来の塩素処理では死滅しない。もっとも、この問題は大抵が雑居ビルの貯水タンクや簡易水道などのケースであり、高度浄水処理を行っている大都市部の水道での発生例はない。

     

    水質学 10 min paper 5     20171012

    3章 天然における水の存在量と循環

    3-1. 存在形態からの分類

     大気中の水としては/緇気、水滴、雲・霧・雨・雪・あられなどがある。地表水には、大陸氷、湖沼・河川水、海洋、上水・下水などがあり、地下水、それから生体内の水などがある。

    3-2. 存在量と循環

     地球全体としての水の存在量はL1.4×109 km3であり、そのうちぬ97.5%が海洋に存在する。

    日本の平均年間降水量は1600〜1700 mmである。これに本土面積を掛け合わせると、降水総量はμ6〜7×1011 m3になる。地表から大気に移動する蒸発量の推定は難しいが、「(降水量)−(ある河川の流域の流出量)」で蒸発散量を推定する。ただし、この場合、河川では地下への浸透がほとんどないと仮定している。降水量に対する蒸発量の割合は、地球上でもかなり異なる。日本では平均20〜30、米国では約60〜70%、豪州では約80%となる。オーストラリアは最も乾燥した大陸と言える。

     地中の透水層において、地下水によって飽和している地層のことを帯水層 aquiferと呼ぶ。世界最大級のは米国中部のグレートプレーンズの地下に分布するものでオガララ帯水層という。この地層中の地下水は氷河期に蓄えられたことから 化石水と呼ぶ。

    『食料を生産するのに必要な水の量』を考えるとき、その水を仮想水 バーチャル・ウォーター virtual water と呼ぶ。例えば、1tの小麦の生産には約1000t(一説では2000t)のが必要であり、牛肉1 kgのは、その飼料の生産に必要な水量を考慮すると、牛肉1 kg当たり20 tの水が必要ということになる。

     

    水質学 10 min paper6            20171019

    4章 水質と生態系

     \限峽とは、ある地域に住むすべての生物とその地域内の非生物的環境をひとまとめにし、主として物質循環やエネルギー流に注目して、機能系として捉えた系 である。従って、水域生態系を考えた場合、水質とは非生物的環境の主要なものということになる。例えば、河川の上流域を考えてみる。上流部では河床が岩や巨礫(きょれき)で構成されており、◆〕和源請如’仕が高く、樹木により、F照 が遮られ、ぁ ̄浜椡 濃度が低い。その結果、一次生産者であるド嫦總類 等の光合成活性が限られ、清涼な水質環境が形成され、イワナ、ヤマメ、カジカといった魚が多くなる。周囲の樹木が伐採された場合、が増加し、水温が上昇し、い増加する。その結果、藻類が増加し、一次生産量が増加し、水域環境に負荷される有機物量が増える。ちょっとした、周囲の環境の変化が水質を変化させ、生物相に影響し、生態系全体を変えてしまうのである。

     水質学で重要な物質にDHMOというものがある。dihydrogen monoxide(ジハイドジェンモノオキサイド)の省略形である。このDHMOは次のような特性を持ち、使用を規制すべきだという意見と使用を続けるべきだとの意見がある。DHMOは、1)酸性雨の主成分である、2)CO2よりも温室効果が高い、3)重篤な火傷の原因になる、4)多くの材料の腐食を進行させる、5)電気事故の原因になり自動車のブレーキの効果を低下させる、6)末期ガン患者の悪性腫瘍から検出される、7)短時間に大量に吸引すると死亡する、8)原子力発電所で用いられる、等々。さて、あなたはDHMOの使用を、規制△靴覆ても良い。dihydrogen monoxide、diは2、 hydrogenは水素、 monoは1つ、oxideは酸素、でH2O、水のことです。

     

    水質学 10 min paper7            20171026

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-1 溶存酸素(英語ではDO、省略せずに書くとDissoved Oxygen dissolved oxygen

    <溶存酸素の測定法の詳細>

     DO測定法は3つある。ひとつは酸素透過性のプラスチック薄膜を固体電極にかぶせ、酸素による電流値の変化からDOを測定する隔膜電極法。2つ目は最も古典的だが、現在でも頻繁に用いられる方法であり、試料水中のDOを試薬を使い化学的に測定するウインクラー法 Winkler’s method。3つ目は最も最新式の方法であり、これは蛍光物質の蛍光エネルギーが酸素に奪われて発生する消光現象を利用する。これをし峺法と呼ぶ。

     △濃請琶子はプラスチック薄膜と電解液の中を拡散し、電位規制されたカソード表面(資料集図7-3参照)に到達して還元される。このとき流れる電流値は酸素分子の拡散により支配され、試料水中の溶存酸素濃度に比例する。その電池反応を示すと、 

    O2 + 2Cd + 2H2O → 2Cd(OH)2 (Ecell=+1.162 V:アノードとカソードの電位差)

     では、試料水にノ音瀬泪鵐ンMnSO4溶液とアルカリ性の水酸化ナトリウムNaOH溶液を加えると、Mn(OH)2が生成し沈殿(白色)する。このГ水中の酸素分子と反応して、溶存酸素量に対応する分だけが酸化され褐色の沈殿に変化する。この化学式はMnO(OH)2である。この酸化された褐色の沈殿量が溶存酸素量に対応しているので、この量を測定することで、水中に溶けていた酸素量を知ることができる。

     い任蓮蛍光物質分子は、外部から紫外線等の照射を受けると光エネルギーを吸収して基底状態から励起状態に遷移する。励起された分子は、蛍光を放射しながら基底状態に戻る。しかし、光励起状態にある分子の周りに酸素分子が存在すると、両分子の相互作用により励起エネルギーが酸素分子に奪われ、蛍光発光の強度が減少する。この減少を消光現象と呼び、蛍光発光の強度は酸素分子の濃度に反比例する。

     純水の飽和溶存酸素量温度 水温により変化する。20.0℃のときの純水の飽和溶存酸素量は8.84 mg/Lである。海水の場合、塩化物イオンの影響を考慮する必要がある。海水の飽和溶存酸素量は、純水の飽和溶存酸素量の大体80%程度になる。

     

    水質学 10 min paper 8         20171026

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-1 溶存酸素(続き)

     1999年に施行された持続的養殖生産確保法では、ある一定条件のもと、溶存酸素すなわち水に溶けているO2量が、4.0 mL/Lを上回ることを推奨している。このO2分子を体積で表示した4.0 mL/Lという値を、重さ(質量)で表示すると5.7 mg/Lとなる。この溶存酸素の体積と質量の関係を計算で出してみると次のようになる:

    気体1モルの体積は、標準状態(0 ℃、1気圧=1013.25 hPa)で22.4 Lになる。O2分子1モルの質量は32 だから、4.0 mLのO2分子が何モルに相当するかを計算すればよい。LをmL(ミリリットル)に換算すると、(×1000) mL。この(×1000) mL が1モル分のO2分子なのだから、4.0 mLは、(4.0/(×1000))モルということになる。従って、(4.0/(×1000))モルのO2分子の質量は、(4.0/(×1000))×=0.0057 g、すなわち、これをmg(ミリグラム)に直すと,箸覆襦

    4-1-2 有機汚濁の指標

    「有機物」とは、ダ己に由来するγ坐埜胸を含む物質の総称である。ちなみに、無機物とは水・空気・鉱物類およびこれらを原料として作った物質の総称である。

    <BOD

     有機物の指標はいくつかある。代表的なもののひとつが、BODである。BODを英語で省略せずに書くとBiochemical Oxygen Demandとなり、日本語では╂己化学(生化学)的酸素要求量(消費量)という。なお、生化学的でも間違いではないが、BODの本来の意味から考えると生物化学的と言ったほうが良いだろう。BODは試料水中に存在する有機物が、微生物(主に細菌)によって、好気的な条件下で、呼吸により分解される間に水中から消費される溶存酸素量(DO)で示す。通常、試料水は密閉容器内で一定期間(5日間)、一定温度(20 ℃)で保たれる。開始時のDOと5日後のDOの差がBODということになる。水産用水基準では、魚類の自然繁殖条件としてBOD値が3 mg/L以下、生育条件として5 mg/L以下であることが望ましいとしている。下水道法による水質基準では、BOD値は600 mg/L未満にしなければいけない。

     

    水質学 10 min paper9          20171116

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-2 有機汚濁の指標(続き)

    <COD>

     水域の有機物濃度の指標として使われるものとして、BODの他にCODがある。これは省略せずに英語で表記するとChemical Oxygen Demandとなり、日本語では化学的酸素要求(消費)量となる。CODは試料水を一定条件下、強力な酸化剤で処理し、消費される酸化剤の量を求め、その量に対応する酸素の量に換算したものである。COD測定で使用する酸化剤の種類と濃度、酸化反応の温度や時間などの条件により、同じ試料水であってもCOD値は異なる。従って、BODにしてもCODにしても、あくまで有機物量のA蠡佚指標となる。

    COD測定でよく用いられる酸化剤はげ瓮泪鵐ン酸カリウム(和名)と二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)である。い硫蹴惻阿KMnO4である。

    <TOC>

     CODの他にTOCも有機物量の指標となる。TOCを省略せずに英語で表記すると、Total Organic Carbonである。TOCは試料水中の酸化分解されうる有機物の全量を、有機物の主要構成成分である炭素量で示したものである。燃焼酸化式―赤外吸収法がよく用いられる。この測定原理は、試料水を一定の空気または酸素とともに680℃で燃焼させ、試料水中の炭素を全て二酸化炭素 CO2にし、量を測定して全炭素量を算出する(A)。また、試料水を150℃で燃焼または酸性(pH<3)にし、そこから出てきたを測定する(B)。この(B)は試料水中にもともと存在した無機炭素量に相当するので、「(A)−(B)」から、試料水中の全有機炭素量を算出する。CODは手間がかかるが、通常の理科実験設備があれば、後は必要な試薬があれば測定できる。一方、TOCはCODに比べると、より手順は簡単かつ信頼性も高いがTOCアナライザーという高価な測定装置が必要になる。

     

    水質学 10min paper10            20171116

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-3. 懸濁物質と蒸発残留物

    懸濁物質

     水質項目の中には、試水中に存在する物質(生物・非生物を問わない)をフィルターでろ過し、そのフィルター上に分離されて残った物質量で評価する項目がある。これを懸濁物質と呼ぶ。懸濁物質量はSSと略記されることが多いが、SSを正式に英語で書くとSuspended Solid(s)となる。このSSの測定手順は次のとおりである:決まった孔径(通常は0.45μmや1μmが良く用いられる)のフィルター(ガラス繊維濾紙を良く用いる)をあらかじめ乾燥させて重量を測定し、試水を濾過後、フィルターを105〜110℃2時間乾燥させた後、デシケーター(シリカゲルなどの乾燥剤の入った容器)内で放冷し、フィルターの重量を測定し、濾過前後の重量の差からSSを算出する。ただし、木片・紙切れ・布切れ・石ころ等が混在する場合、これらは懸濁物とは扱わない。因(ちな)みに、サイズが100 mm以上で偶発的に試水に混入したものをぐ枴、2〜100 mmのものをジ之訴と水質学的には呼ぶ。

     最近、中国の大気汚染で問題になっているPM2.5は粒子の直径が2.5 μm以下の小さな微粒子のことでPMとはParticulate Matter(英語)の省略形である。一般的にはマイクロメートル・レベルの微粒子のことを指す。主に燃焼で生じたすす(煤)、風で舞い上がった土壌粒子(黄砂など)、工場や建設現場で生じる粉塵のほか、燃焼による排出ガス(硫黄酸化物SOxや窒素酸化物NOx)や石油からの揮発性有機化合物等のガス状大気汚染物質が、大気中での化学反応により粒子化したものなどがある。

    蒸発残留物

    105〜110℃で恒量にした蒸発皿に試料水を入れ、沸騰水浴(上)で蒸発乾固させ、蒸発皿を乾燥機(105〜110 ℃)で2時間乾燥後、デシケーター中で放冷し、重量を測定する。

     

    水質学 10 min paper 11           20171130

    <海洋プラスチックゴミ>

     海ゴミの7〜8割はプラスチックである。世界の生産量年間2億8千万トン、その約40%が使い捨てのプラスチックである。主要素材はポリエチレン(29.6%)、ポリプロピレン(18.9%)、ポリ塩化ビニル(10.4%)、ポリスチレン(7.1%)である。

    海鳥やウミガメなどがプラスチックを摂食する場合は顕在化しやすい(大型生物は

    大きなサイズのプラスチックを摂食するため、胃内容物中のプラスチックが視認されやすい)。

    最近問題になっているのは海洋に流れ込んだプラスチックのサイズの小さな生物への影響である。海洋に流れ込んだプラスチックは光酸化熱酸化により劣化・分解されて微細化する。この微細化したプラスチックのことを

     マイクロプラスチックと呼ぶ。定義としては5 mm以下のサイズのプラスチックである。

    元々プラスチックには酸化防止剤・難燃剤・可塑剤・帯電防止剤・紫外線吸収剤など様々な化学物質が添加されている。親水性の物質はプラスチックから海水中に溶出する。一方、α多綫の物質は海水に溶け込むことはなくプラスチックに吸着され、濃縮される傾向がある。

    マイクロプラスチックは大きなサイズのマクロプラスチックが微細化されて形成されるだけではなく、┘泪ぅロビーズとして洗顔料などにもはいっており、生活排水として環境へ排出されている。

    マイクロプラスチックの存在が明らかになるに従い低次栄養段階の小さなサイ

    ズの生物(特に濾過摂食者、懸濁物摂食者、堆積物摂食者)へ与える影響が懸念されている。小さなサイズの生物へのプラスチックの影響は、基本的に大きなサイズの生物への影響と同じであり、摂食障害とプラスチック摂食に伴う化学物質による暴露である。ただし、マイクロプラスチックは植物プランクトンの光合成代謝にも影響する場合があることも報告されている。

     環境ホルモンとして問題となるPCBは疎水性の化合物なので、マイクロプラスチックに吸着・濃縮され易い。PCBを吸着したマイクロプラスチックを摂食した段階の微小生物は、マイクロプラスチックが環境に存在しない場合よりも、PCBを多量に細胞内へ取り込むことになる。この微小生物がより高い栄養段階の生物に摂食されるとすると生物濃縮による毒性物質の生態系への影響はより深刻なものとなる。

     

    水質学 10 min paper 12           20171130

     自家汚染とは、主にゝ覬騨椰による有機汚濁が直接の原因となり引き起こす水質・底質の悪化・老化現象のことである。養殖漁場での有機物負荷の主体は、残餌や養殖魚の排泄物などの易分解性有機物である。養殖漁場に負荷された⇒機物は微生物(主に細菌)によるJ解を受けながら沈降し、海底に堆積する。

    このは海底堆積物中でも進行する。水域がだ層し、ツ豼悗悗劉酸素の供給が少ないР撞─通性嫌気性従属栄養性の海洋細菌は┨サじ撞曚砲茲詈解・無機化が出来なくなり、その代わりに発酵を行う。その結果、乳酸などの有機酸が底泥に蓄積される。酸素の欠乏した嫌気的な環境でが蓄積されると、海水中の硫酸塩SO42- を最終電子(水素)受容体とし、を電子供与体として利用する硫酸塩還元細菌が増殖を始め、硫化水素が発生する。が生成したは化学的に水中の溶存酸素と反応して更に酸素を消費し、底層の貧酸素化が加速度的に進行する。底層が貧酸素化して梓垳掬になると底泥の酸化還元電位は渦爾る。酸化還元電位が韻函底泥から金属イオンや栄養塩が溶出し、水域の寡抉浜棆修鬚気蕕暴長する。これは赤潮や青潮などの発生に繋がる。まさに負のスパイラルに入ってしまう。そうならないように水族環境学研究室では、水族のためのより良い環境づくりに日々努力しているのじゃよ。

     

    水質学 10 min paper 13           2017127

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-4. 

      ̄浜椡とは一次生産者である植物プランクトンが成育に要求する無機の塩類のことである。すなわちケイ酸イオン、▲螢鷸瀬ぅン、亜硝酸、硝酸イオン、アンモニウムイオン等の総称である。栄養塩の分布はた絨、季節、タ綽などで大きく変動する。沿岸域では河川水より豊富な栄養塩が供給されるため、外洋域の表層に比べて栄養塩濃度も高い。その為、植物プランクトンの(一次)生産または光合成または光合成生産 も盛んになり、動物プランクトンの生産も上がり、┻類または魚介類 等の生産量も上がる。

     一般に一次生産者(海洋では主に植物プランクトン)が取り込む元素の炭素C、窒素N、リンPのモル比は106161になる。これを発見した研究者の名前からレッドフィールド比 Redfield ratioと呼ぶ。

    表層に栄養塩(硝酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩など)が高濃度に存在するにも関わらず、植物プランクトンの生産量が低い海域がある(例えば、南極海、東部太平洋赤道域)。このような海域をHNLC海域と呼ぶがこれは High Nutrient Low Chlorophyll

    の省略形である。HNLC海域を説明する仮説としては「鉄仮説」が有名である。これは植物プランクトンの増殖、光合成、一次生産鉄イオン 鉄 が制限しているという考え方に基づく。の不足により植物プランクトンの増殖が低下し、光合成生産量(一次生産量)が低下する。光合成生産が低下すると吸収される二酸化炭素CO2量が低下し、大気中のCO2分圧が上がる。つまり「鉄仮説」とは地球規模での気候変動を鉄イオンが駆動しているとしている。

     蒸発残留物の測定は、なぜ沸騰水浴上で蒸発乾固させるのが良い?なぜ直火で蒸発皿を加熱しないのでしょう?理由:沸騰水浴上では100℃以下で保たれるため燃焼などの化学反応が起こらない。燃焼(酸化反応)したりすると化学変化により重量が変化する。その他、突沸などを防ぐ意味もある。

     

    水質学 minutes paper14     20171214

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-4. 栄養塩

    <窒素>

     溶存態無機窒素のことを英語ではDissolved Inorganic Nitrogenと書き、省略形はDINとなる。DINは3つの化学形態がある。⊂忙逝崔眩0‐忙逝崔眩ぅ▲鵐皀縫態窒素、である。水質学で◆銑い涼眩任鯊定する必要性があるのは、地球上の生態系において窒素の循環が重要なためである。では、窒素の循環について考えてみたい。

     大気の約80%を占めるのはN2すなわち分子状窒素である。N2は化学的にド坡萓であり、ほとんどの生物にとって適切な窒素源とはならない。生物には△いよび有機化合物の形の結合型窒素(例えばアミノ酸等)が必要になる。窒素固定はその大部分が生物学的過程である。地球上の一部の細菌のみが窒素固定を行う唯一の生物である。そのため窒素固定は窒素循環のξ速段階になる。藻類や植物は窒素を△い箸靴篤渦修垢襦△郎挧ζ發猫いТ垳される。硝化を行うのも硝化細菌のみである。硝化細菌は┣蹴惺臉 独立 栄養性の細菌である。脱窒嫌気(的)条件で、ある種の細菌が△鮑能電子受容体として呼吸で有機物を利用する際に発生する。もし地球上で脱窒が起こらないと、どえらいことになる。どんなにどえらいかと申しますと、窒素が循環しなくなり、人類のみならず地球の生物が全滅するでしょう。

     

    水質学 10min paper15            20171221

    4-1.基本的な水質項目

    4-1-4. 栄養塩

    <窒素の新しい循環経路:Anammox

     1990年代のことである。ヨーロッパのある廃水処理施設で奇妙な現象が見られた。その処理施設でどんどん窒素ガスN2が発生していたのである。その廃水処理施設をオランダの微生物学者達が丹念に調べたところ、ある特定の微生物が、〃気条件で、亜硝酸NO2-(化学式)をアンモニウムイオンNH4+(化学式)でご垳して、N2または窒素ガスを生成していたのである。この微生物反応では、アンモニウムイオンが亜硝酸をい垢襦それは逆にアンモニウムイオンが酸化されることを意味する。この微生物反応を日本語ではХ気性アンモニア酸化と呼び、英語ではAnaerobic Ammonia Oxidationと書くので、それを省略してAnammox(アナモックス)と呼ぶ。

     このAnammox反応はその後、2002年には北海の大陸棚の底泥の、酸素のある場と無い場が背中合わせの場から検出され、翌2003年には黒海とカリブ海でもAnammoxが検出された。驚いたことに、海洋のある地点では窒素消失の実に60%以上をAnammoxが担うと報告されており、今や海洋の窒素循環を考える上でAnammoxは無視できない。

     また、環境や健康に悪影響を及ぼすアンモニウムイオンや亜硝酸は、下水処理施設などで処理されなければいけないが、従来法では微生物反応の硝化と脱窒を組み合わせた方法がとられてきた。偏性好気性化学合成独立栄養性の硝化細菌が担う硝化過程ではpHをアルカリ性に調整して曝気(エアレーション)する必要があり、脱窒過程では嫌気条件を作り出した上で脱窒細菌(通性嫌気性化学合成従属栄養性)のエネルギー源となる有機物(エタノール等を使用)を添加する必要がある。これは運転経費がかかる方法である。それに対してAnammoxは単純な一つの化学反応でアンモニアを窒素にしてしまう、硝化−脱窒反応をショートカットしたような反応になる。この化学反応式を書くと次のようになる。

     NH4+  +  NO2-  →  N2   +  H2O   

    これをうまく利用すると廃水処理の大幅なコストカットが期待できるため、現在、多くの研究者が開発に取り組んでいる。このAnammox反応を担う細菌の生理学的特性は嫌気性化学合成独立栄養性である。

     

    水質学 10min paper16            20171221

    4-1.基本的な水質項目

    <窒素>

     アンモニア態窒素NH4+(化学式)は「インドフェノール青法」、亜硝酸態窒素 NO2-(化学式)は「ジアゾ化法」、硝酸態窒素NO3-(化学式)は「カドミウム・銅カラム−ナフチルエチレンジアミン吸光光度法」で測定する。方法は特に覚えなくても良い。

    <リン酸態リン>

     ほとんどPO43-(化学式)の形で環境や生態系内を動く。全ての生物に必要な極めて重要な栄養塩である。リン酸態リンの測定方法は「モリブデン青法」である。これは、リン酸イオンが酸性溶液中でモリブデン酸アンモニウムおよび酒石酸二アンチモン(掘忙瀬リウムと反応して生成するヘテロポリ化合物を、L−アスコルビン酸で還元し、生成したモリブデン青の吸光度を測定するものであるが、これも特に覚える必要はない。もし将来必要になったら、「そういえば・・水質学でなんか聞いたような・・」と思いだせればよい。

    <全窒素・全リン>

     全窒素=ァNH4+ ΑNO2-   +АNO3-  + 有機窒素(アミノ酸など)(ァ銑Г浪蹴惻亜

    測定原理:全ての窒素化合物を高圧蒸気滅菌器によりアルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウムで酸化分解⇒すべて─NO3-  とし(pH2〜3に調整)⇒波長220 nmでの吸光度を測定。

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      世界中の海洋細菌の総重量は?

      海洋生態系科学の海洋細菌重量の計算に関する解説です(江口)

       

      1)海洋細菌1細胞(cell)の湿重量を250 fg(フェムトグラム)、海水1 mL(ミリリットル)に海洋細菌が1×10細胞存在するとすると地球上に存在する海洋細菌の総重量は何Mt(メガトン)ですか?ただし、海洋の平均水深を3800 m、海洋の総表面積を3.61×108 km2とします。

      答えは有効数字を4桁とし、5桁目を四捨五入して解答下さい。

      計算のプロセス(単位を換算して揃える過程等々)が分かるように明確に示してください。

      海洋細菌1細胞当たりの重量をグラムで表すと 

      250 fg= 250 × 10-15 g=2.50 × 10-13 g/cell・・・・

      海水の総体積は 3.61  108 km2 × 3.8 km = 1.3718 × 109 km3・・・・・・・・ 

      ここで1 km3 = (103m)3 = 109 m3 = 109 × (102 cm)3 = 109 × 106 cm3 =1015 cm3・・・

      △鉢から海水の総体積は 1.3718 × 109 km3= 1.3718 × 1024 cm3 (=mL)・・・・・

      海水1 mLに海洋細菌が1×10細胞存在するのだから、,鉢いら海洋細菌の総重量は、

      ×1×106×い乃瓩瓩蕕譟 

      2.50 X 10-13 (g/cell)×1×106 (cells/mL)×1.3718 × 1024 (mL)=3.4295×1017 (g)・・・

      1 Mt = 106 t = 106×103 kg = 1012 g ・・・・・・・・・・・

      イ鉢Δら海洋細菌の総重量は、3.4295×105 Mtになる。有効数字4桁で5桁目を四捨五入なので、海洋細菌の総重量は3.430×105 Mtとなる。   答え:3.430×105 Mt

       

      2)地球上の人間の平均体重を60kgとしたときの、地球上の全人間の総重量は何Mtですか?諸君が小学生のころに覚えた世界の人口ではなく、最新の世界の人口の情報を調べて計算してください。計算のプロセス(単位を換算して揃える過程など)は明確に示してください。有効数字は4桁とし、5桁目を四捨五入して下さい。

      世界の人口は732540万人なので7.3254×109人・・・・・

      世界の人間の総重量は、7.3254×109人×60 kg/人=4.3947×1011 kg

      1 Mt = 109 kgだから、世界の人間の総重量は、4.3947×102 Mt

      答え:4.395×102 Mt

       

      従って、地球上に存在する海洋細菌の総重量は人間全体よりも約780倍も重いことになります。目に見えない海洋細菌が莫大な量存在するんです。ただし、厳密には表層海水から深層、沿岸域から外洋域に行くに従い海洋細菌の存在量は減りますので、実際にはもう少し差は小さくなります。(江口)

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        2017年度 博物館資料保存論 (江口)

        2017年度 博物館資料保存論の第1・2回のレポート試験の模範解答を掲載しますので、皆さん、シッカリと復習をしておいてください。

         

        博物館資料保存論 第1回目 模範解答

        1.

        1)文化財保護法制定の契機となった大きな出来事は、1949126日に起こった法隆寺金堂壁画の焼損である。この文化財保護法は、戦前に制定された国宝保存法、史蹟名勝天然記念物保存法、重要美術品等ノ保存ニ関スル法律、の三つの法律を発展的に統廃合したものである。

        22004年改訂の国際博物館会議(ICOM)職業倫理規定では、文化財の返還に関する事項を次のように示している。

         6.2:博物館は文化財をその原産国またはその国民に返還するための話し合いを開始する態勢を整えているべきである。このことは、科学的、専門的また人道的な原則と、適用される地方・国の法、および国際法に基づき、政府もしくは政治レベルの行動に優先して、公平に行われるべきである。

        2.

        1経年変化:年月が経つうちに品質・性能が低下すること。

        2温湿度データロガー:温度と湿度を連続的に測定し、そのデータを記録保存する装置。

        3クリモグラフ:湿球温度(単に温度でも良い)を縦軸、相対湿度を横軸にとって各月の平均値を月順に線で結んだ図。

        4パッシブコントロール:受動(的)制御。博物館等についていえば、自然エネルギー、自然の力を生かして空調などを行うこと。

         

        博物館資料保存論 第2回目 模範解答

        1.

        1)「文化財保護法」

          第1条 この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。

        2)「文化財公開施設の計画に関する指針」<平成78月文化庁文化財保護部長通知>では、収蔵庫の設計に関する留意事項を次のように示している。

        ・収蔵庫の床面積は、展示室の床面積の半分を目安とするが、将来を見越して十分なスペースをとることが望ましい。

        ・収蔵庫には必ず前室の機能を果たす十分なスペースを確保し、庫外の影響が庫内に直接及ばないようにする。

        ・収蔵庫の外壁が外部と面する場合、結露などの点検のために、外壁と接する二重壁には室内側から点検口を設け、二重壁の間に点検用の空間を確保する。

        2.

        1)壬申検査:明治のはじめに古器旧物の保存と海外流出防止のために社寺や華族の所蔵する古器旧物に対して本格的に行われた実地調査。行った年の干支から壬申調査と呼ぶ。

        2)アスマン通風乾湿計:乾球と湿球に風速2.5 m/s以上の風をあてて、その温度差から換算して相対湿度を測定する計測器。

        4VOCVolatile organic compoundsのことで日本語は揮発性有機化合物。トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなど。

        5)免震装置:地震の揺れを文化財などに直接伝えないようにする装置。例えば、建物と地震の縁を切るアイソレーターと振動エネルギーを吸収する働きをするダンパーを組み合わせたものなど。

        7)ジオパーク:「地球、大地(Geo)」と「公園(Park)を組み合わせた言葉であり、「地球・大地の公園」を意味し、地球を学び、丸ごと楽しむことが出来る場所。地球科学的な価値を持つ遺産を保全し、教育やツーリズムに活用しながら持続可能な開発を進める地域認定プログラム。

         

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          物質循環という観点でみると、漁業とは「海洋から窒素を除去する行為」といえる。

           物質循環を理解していなければ環境問題は十分に理解できません。物質循環のなかでも重要度が高く、古くから研究の進んでいるのは窒素の循環です。前回の話に出てきた大気中の窒素ガスN2が最も大量に存在する窒素源ですが、 窒素ガスN2 は化学的に極めて不活性であり、ほとんどの生物がそれを直接利用することができません。 窒素ガスN2 を直接利用できるのは、一部の原核生物が行う窒素固定のみです。

           今回の講義では窒素循環と漁業との関係について考えました。再生窒素と新入窒素に関しては現在も研究が進んでおり、新しい知見が報告されています。硝化が光により阻害されるため、有光層内で再生されたアンモニウム塩は硝酸に変化せず、そのまま植物プランクトンに取り込まれるという考え方、これが再生生産の根本原理です。しかし、最近では有光層内でも硝化が進むという報告もあり、硝酸塩の取り込みによる有機物生産のなかに再生生産に相当する分が含まれているとする報告もあります。ただ、本講義ではとりあえずオーソドックスな話に従いました。つまり、新入窒素は深層から湧昇などで有光層に移入してきた硝酸塩が中心であり、再生窒素は有光層ないで発生したアンモニウム塩が中心になっているという考え方です。

           大学の講義は定説だけではなく、未だ仮説の段階であるものなど様々な話を紹介します(未だ定説ではない、これは仮設の1つですが、と断って話していますから注意してください)。講義で話した内容がその時点で間違ってはいることはありませんが、どんどん変化する可能性がある、場合によっては将来覆ることもある、といったことは常に念頭に置き、言われたままを鵜呑みにせずに、各自で考えてみるクセをつけて下さい。では今回の模範解答です。(江口)

           

          <<窒素循環と一次生産と漁業>>

           海洋における窒素循環と漁業との関係について述べた下の文章の空欄に、最も適当な語句 銑を補い、文章を完成させなさい。

           海洋の有光層で植物プランクトンが担う^貅\源此粉霑胆源此では、主に無機態の窒素を同時に細胞内へ取り込み、同化する。有光層内で死滅した動・植物プランクトンなど水生生物の死骸や排泄物は、海水中に多量に存在する従属栄養性の海洋細菌が加水分解し、無機態の窒素としては主にアンモニウム(イオン)(和名)ぃ裡4(化学式)が、また有機態の窒素としてはデ∩如箆駄勝Α複裡22CO(化学式)などが水中に放出される。このような、有光層内で循環・リサイクルする窒素源Ш得乎眩と呼ぶ。それに対して、有光層外から新たに入ってくる窒素源を┸憩窒素と呼ぶ。┐麓腓剖い風などの影響で起こる湧昇()などにより、栄養塩の豊富な深層から新規に有光層へ加入してくる。この┐亮臑里箸覆襪里録質悗紡仁未紡減澆垢硝酸塩(硝酸イオン)NO3である。

           海での漁獲量は、新入窒素の供給量で決まると言っても過言ではない。その様な観点からすると、漁業とは海洋から窒素を除去する行為、ということになる。新入窒素による一次生産を新生産、再生窒素による一次生産を再生生産と呼ぶ。f比とは『新生産/全生産(新生産+再生生産)』のことである。

                                                                                                                                          

           下図は貧栄養から富栄養な海域における「植物プランクトン全生産量」(横軸)に対する「魚類+イカの生産量」(縦軸)を示したものである。貧栄養海域のf比=0.1のとき「魚類+イカの生産量」は図から2 gwet wt m-2 yr-1である。このときの持続可能な漁獲許容量はいくらかになるか?また、富栄養海域のf比=0.6のときの「魚類+イカの生産量」は図から15 gwet wt m-2 yr-1である。このときの持続可能な漁獲許容量はいくらか?

           

          2 gwet wt m-2 yr-1×0.10.2 gwet wt m-2 yr-1

          f比=0.1のときの持続可能な漁獲許容量は、0.2 gwet wt m-2 yr-1である。

           

          15 gwet wt m-2 yr-1×0.69.0 gwet wt m-2 yr-1

          f比=0.6のときの持続可能な漁獲許容量は、9.0 gwet wt m-2 yr-1である。

           

          計算問題では単位が重要です。単に数値を示すだけではなく、適宜日本語を補って作文する感覚で解答するようにしてください。

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            海洋の一次生産者である珪藻類

             珪藻類は海の牧草とも呼ばれる重要な一次生産者です。珪藻はガラスと同じケイ酸でできた殻をもっているため、電子顕微鏡などで観察すると本当に面白くて美しい模様が楽しめます。外殻と内殻はさながら弁当箱のようにも見えたりします。さて、MP#9の模範解答です(江口)。

            -1. 珪藻類

             植物プランクトンには多種多様な種類がある。その代表的なものは珪酸(シリカ) SiO32-でできた被殻を有する 〃樵()、英語ではdiatomである。珪藻は単細胞性だが群体を形成することもある。珪藻は約1億年前に地球上に出現した。海水中で死滅した珪藻の珪酸でできた被殻は、地質学的年月を経て海底に降り積もり、珪質軟泥を形成している。珪藻は大きく2つのグループに分けられる。ひとつは1状類で、その大半が底生性である。もうひとつは、ほとんどが浮遊性のっ羶肝である。浮遊性の珪藻は運動器官がないので自ら動けない。

             珪藻は好適な環境では単純な無性生殖を繰り返して速やかに増殖する。ゥ泪ドナルドとピッツァ(MacDonald-Pfitzer) の仮説では、無性生殖を繰り返すと細胞サイズが小型化し、ある最小サイズになるとΨ昌澄兵繊の骨格を失い、有性生殖を行い╂楾膸を形成し、大きく膨れた増大胞子になり、増大成長して被殻の形とサイズが元に戻るとしている。ただし、この仮説については、様々な反論があり、定説にはなっていない

             浅海域に生息する沿岸種では、環境条件が悪化すると休眠胞子であるシストcystを形成する。休眠胞子のシストは細胞質が濃縮され堅い殻を被っていて重いので、海底に沈降して休眠し、環境条件が整うと通常細胞に戻る。

             

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              海洋の主たる一次生産者の植物プランクトンは何故小さいのか?

              海洋の主たる一次生産者の植物プランクトンは何故小さいのか?という話をしました。陸上では地表面までがすべて太陽光が到達していますが、海洋などの水域では深くなると光が到達しなくなってしまいます。光合成による有機物の生産が呼吸による有機物の消費を上回っている水層を有光層といいます。ここに存在しなければ、光合成は出来ません。これを理解しましょう。さて、今回の解答です。(江口)

               

              海洋の平均水深は3800 mである。光合成による一次生産が行われ、生産層とも呼ばれている⇒光層は、外洋でも水深150 200 m程度までである。海洋の植物プランクトンは、太陽エネルギーが利用できる有光層に留まらなければ、光合成が出来ない。

               

               有光層に留まるために植物プランクトンがとったと考えられる最大の進化上の適応戦略は、細胞サイズを小さくすることである。大きな体では重力により沈降してしまうのである。球体で考えると、サイズ(半径)が小さくなるとI縮明僉体積 比が大きくなる。表面積/体積 比が大きくなると摩擦抵抗が大きくなり、沈降し難くなる。また、イオン調節により細胞内のイオン濃度を低くしたりもしている。また、生物側の適応進化というわけではないが、自然条件の水の流れであるね靂も細胞サイズの小さな植物プランクトンがに 有光層 留まるのにプラスに働いている。

               細胞サイズが小さくなると捕食され易くなるので、それを補うように速く増殖する。細胞サイズが小さいと1つの個体を作り出すのに要するエネルギー量も少なくて済むため、速い増殖が可能になる。

               海洋学や環境学では、底質などの粒子のサイズが63(62) μmより大きい画分(かくぶん)を砂質と呼び、それより小さいサイズ画分を泥質と呼ぶ。Δ筬Г箸い使い分けが明確であれば、野外調査する干潟などの状態を科学的に表現して、他人に伝えるのに有効になる。

               ところで、光合成を式で示すと次のようになる。矢印が反対を向くと呼吸になる。

                          光合成┯(太陽光)エネルギーが必要)

              CO2   +  H2O  →   (CH2O) +  O2 

              二酸化炭素       水           炭水化物     酸素

                         

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                エル・ニーニョ・イベントについて 海洋生態系科学

                今年の夏はラ・ニーニャのために酷暑になるのではないかといわれています。野外調査などでの熱中症対策をシッカリと考えておかなければいけません。さて、エル・ニーニョ現象の解説です。

                水温の長期的変動
                 海面水温の長期的変動でもっとも知られているのはエル・ニーニョである。これは元々「神の(男の)子」という意味のスペイン語である。南米のエクアドルからペルーの沿岸域では、北半球の夏季にあたる時期、強い貿易風の影響で表層水がインドネシアの方向へ押しのけられ、その影響により深層の栄養塩の豊富な冷水が〕昇し、また▲撻襦次淵侫鵐椒襯函乏のの影響もあって赤道付近にもかかわらず表面水温が低く栄養塩が豊富な水域を形成する。エクアドルからペルーの沿岸域では、この豊富な栄養塩(リン酸塩PO43-ぞ忙星NO3-など)と太陽エネルギーを利用して植物プランクトンが増殖し、そのプランクトンを餌にするゥ▲鵐船腑咫次淵タクチイワシ)が大量に集まり、そのイ魃造砲垢Ε哀▲猟士が集まる。Δ箸魯好撻ぅ鷂譴把司気箸いΠ嫐であり、このΔ廊やい豊富で畑の肥料として利用されている。ところが北半球の冬季(12〜3月ごろ)になると貿易風が弱まり、表層の栄養塩が少ない(貧栄養な)暖水が移動しにくくなるため、栄養塩の豊富な深層の冷水が,靴覆ぁその結果、植物プランクトンが沿岸域で増殖できず、イ減り、δ士爐盡困襦これがエル・ニーニョである。「神の子」と呼ばれたのは、赤道反流による暖水の南下が毎年クリスマスのころに始まること、北からの流れに乗って日ごろ見かけない魚が回遊したりすること、折からの降雨によりバナナやココナツが収穫期に入ることなどによる。天の恵みに対する感謝の気持ちや自然に対する畏敬の念が人々の根底にあり、「神の子」と呼ばせたのである。これは生態系サービスの感謝の気持ちの表れでもある
                 その後の大規模な海洋観測の結果、このエル・ニーニョはエクアドルやペルー沿岸域に限られた局所的な現象ではないことが判明した。さらに210年の周期で、通常であればクリスマスのころから三ヶ月程度で終わるエル・ニーニョが、4月以降も長引き、漁獲量の減少だけではなく、様々な地域で旱魃(かんばつ)や豪雨をもたらすなどの異常気象を引き起こすことが判明し、最近ではこの異常気象現象をエル・ニーニョと区別してエルニーニョ現象(エルニーニョイベント)と呼ぶようになった。Г和席人里鬚呂気鵑農召氾譴乃ぐ気シーソーのように変動する南方振動と連動していることも明らかになり、この大気と海洋の大規模な相互作用のことをENSOとも呼ぶ。また、ペルー・エクアドルの沿岸から東太平洋の赤道付近で海水温度が平年より低下する現象(太平洋をはさんでエクアドルやペルーの対岸になるインドネシア沖に通常以上に暖水が溜まる現象)のことを、スペイン語で「神の女の子」を意味するラ・ニーニャLa Nina(nの上に波線が必要)と呼ぶこともあるが、これは1990年代に入ってから海洋学者が名づけたものである。また、ある海洋気象学者は、Г皚も何も起こらない状況をラ・ナダLa Nadaと名付けたが、これはアホらしくて誰も使っていない。(江口)
                 
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                  N2ガスの生成プロセスについて 水族環境学

                  生態系における物質循環の中でも窒素の循環は最もよく研究されています。窒素循環を理解したものは物質循環を制する、と言っても過言ではありません。しっかりと理解してください。

                  4-2 『窒素の循環』
                  窒素循環において窒素ガス(N2)が生成されるプロセスについて150200字で述べなさい
                   窒素循環において窒素ガスN2が生成される過程は2つある。一つは脱窒作用であり他方は嫌気性アンモニア酸化(ANAMMOX: anaerobic ammonia oxidation、アナモックス)である。前者は化学合成従属栄養細菌が嫌気条件で硝酸を亜硝酸、一酸化窒素、亜酸化窒素と順次還元してN2を生成する。後者も嫌気条件で起こる。このANAMMOXは、ある種の化学合成独立栄養性の細菌が亜硝酸をアンモニアで還元して(アンモニアを亜硝酸で酸化して)窒素ガスに変える反応である。
                  といったところでしょうか。
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                    海洋生態系科学MP#6 「塩分が正しい。塩分濃度はマチガイ。」

                    海洋生態系科学 #6
                    「塩分」です。「塩分濃度」はマチガイです。「分」には割合という意味がありますので、日本語として塩分濃度はおかしい。濃度という言葉を使いたいのであれば塩濃度でしょうね。例えば、糖分といいますが糖分濃度とは言いませんよね。日本酒のアルコール分が15%とは言いますが、アルコール分濃度が15%とは言いませんね。同じことです。ただ、ウィキペディアなどをみても、新聞などでも塩分濃度という言葉が横行しています。困ったもんです。ただ、ここまで頻繁に使われると、市民権を得てしまうというようです。少なくとも本講義を聴いている諸君は、塩分濃度という間違った言葉を使わないように注意してください。さて、正解です。

                    23 塩分
                    塩分
                    ・塩分を英語で表記するとsalinity である。one piece 62巻でナミが,里海箸髻岷分濃度」と言っているが、あれは海洋学的には間違い。塩分の「分」にはすでに割合という意味がある・・残念!
                     
                     海水1 kgに溶解している無機塩の全量(グラム数)を、単位‰(パーミル、プロミル、千分率)で表わしたものを◆\簑弍分 という。
                     
                    塩分の主要元素はイオンの形で存在する。最も多いのは、ナトリウムイオン Na+ ぁ ̄化物イオン Cl- である。海水の主要な無機塩は 80以上あり、微量無機塩は60以上ある。それらをすべて測定することは不可能である。そこで、海水の電気伝導度が無機塩(イオン量)に概ね対応することから、海洋観測ではГ梁定値から塩分を算出する。これを△紡个靴董┝騨儕分という。┐肪碓未呂覆い、最近ではpsuを単位のように表記することが多い。psuというのは英語の practical salinity unitの省略形である。

                    ヤドカリは何故死んだのか。これは、水位が下がると海水を補給したため、塩分が飽和してしまい、強烈な浸透圧に耐え切れず死んだようです。室温ですと100 gの水に食塩は26 gくらい溶けます。海水の塩分が3%程度ですから、10倍近い濃度と言うことになります。これでは生きて行けないと思います。悪い事をしてしまいました。(江口)

                     

                     
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